マーケティングに重点を置いて商品を設計した場合に言われる、
「集客商品」や「収益商品」といった呼称は、役割を与えられた商品の代表格として呼ばれるところで、「集客商品」とは、その名の通り、店舗に集客する役割を与えられた商品、
「収益商品」とは、その商品の販売よって利益を稼ぐ役割を与えられた商品のことを言います。
例えば、「全国に店舗を構える大手焼肉チェーンA店では、11月29日〝いい肉の日〟にちなみイベントを開催します。
通常価格1280円の〝黒毛和牛上カルビ〟を含む29種の食べ放題が、なんと29組様限定で29円! 17時より先着順にてネット予約受付を開始します。この機会をお見逃しなく!」と
いったイベント開催のプロモーションがあれば、見込み客の目を惹くことができるはずです。これは典型的かつ集客に特化した「集客商品」のひとつです。
この方法の良し悪しは別にして、見込み客に与えるインパクトは十分だと思います。当然利益を完全に捨てていますから、ほぼ原価率100%でしょう。
ただし、それに見合う実集客だけでなく後の集客や、Web上のざわつき、ブランディングも含めたプロモーション効果があると判断しての商品化のはずです。
このような集客効果に特化した役割を持つ商品を「集客商品」と言います。
仮にこの原価率を、品質や量目を落とすことで小刻みに上げたり、売価を中途半端に設定したりしてしまうと、お客様に十分なインパクトを与えられず、
集客につながらないということになってしまいます(姑息と捉えられてイメージダウンも)ので、
「集客商品」は集客効果を最大限高めるため、客の想像の上をゆく〝思い切った方法〟での商品開発やイベント展開が求められます。
お店の集客に困っていたら、お店のメニューを開いてみてください。集客の役割は既存商品に持たせることもでき、特にお店の看板メニューともいえる商品がふさわしい場合が多いものです。
どのメニューが集客商品に適していそうですか?
また、他の店舗のメニューで「集客商品」を探してみるのも自店の集客商品を作る上で良いアイデアを提供してくれる場合がありますので参考として見るのも良いかと思います。
思い切った原価設定で集客商品を作ったら、限定、おすすめ、新規、無料、コスパ最高・・・などのキャッチ―なコピーを前面に出し、しっかりとプロモーションをすることを忘れずに。
ひとつの集客商品で如何に集客効果を高めるかも大切ですし、思い切った商品設計はそう何度もできるものでもないでしょう。お客様の飽きもあります。
その一度に賭けるつもりで販促にも力を入れましょう。
さて、集客にコストをつぎ込むだけでは、赤字は必至です。冒頭綴ったとおり、飲食店がビジネスであり、営利を追求する企業である以上、収益を上げることが真の目的ですので、
集客に費やしたコスト以上の収益を得て売上アップ、収益アップを果たさなければなりません。
そのためにも「収益商品」を準備し、集客商品と収益商品を共存させることが重要です。
次に収益商品やほかの役割商品をみていきたいと思います。