PDCAサイクルとは、事業活動における生産や品質管理などの管理業務、自己啓発を円滑に進め、
繰り返す(Cycle)ことで段階的かつ継続的な改善を促進する行動プロセスのひとつ。Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)の4段階により1つのユニットを構成し、
これを繰り返すことで改善を図ることから、各々のイニシャルよりPDCAサイクル、また運用の際には「回す」と表現されることは周知されるとおりです。
元来日本の製造業の成長期の起点に品質改善の手法として浸透していったPDCAサイクルですが、
近年製造業以外の産業においてもリスクマネジメントを含めた、経営改善へのアプローチとして日常的に活用されるに至っているように、汎用の容易さから、
飲食業においても他産業同様、種々の管理業務や品質の改善、経営改善の手法として実践でき、
かつ、居酒屋、レストラン、カフェ、ベーカリー、デリバリー主体のピザ店といった業態、事業の性格(個人・法人)、
事業規模の大小を問わず、飲食店経営における継続的な業務改善を促進するためのひとつの手法としてPDCAサイクルを取り入れることが可能です。
ただし、一般企業において広く周知され、何かと持ち出されることの多い手法であるものの、
サイクルを回しているにもかかわらず一向に改善が実感できない場面も多々あるように、このプロセスは、用いたとしても必ず改善に直結するものではないこと、
PDCAサイクル自体が不完全なものであり問題点をきちんと把握した上で運用なされなければよい結果は得難いものであることも併せて理解しておかなければなりません。
これまでの経験上、とりわけ飲食店においては、うまく回らない原因パターンは幾つかに集約されているので、運用の要点と共に次項で確認していきましょう。
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飲食業にみられる改善に結びつかない3つのケース>>>