歩留まり(歩止まり)とは、製造業、加工業など生産業全般において使用される用語で、使用原料に対する製品の出来高(割合)のことであるが、
飲食店で用いる場合の歩留まりとは、枝肉や鮮魚などの骨や皮、筋など不可食部分が残る食材(使用原材料)の総量に対する可食部分量の割合、
もしくは加工過程における使用原材料の総量に対する可食部を含む部位量の割合のことであり、それを算出した数値を歩留まり率(歩止まり率)と呼びます。
飲食店では枝肉や鮮魚を仕入れ食材として用いる場合、いかに廃棄部位を減らして可食部を多く得るかがより高い利益を得る上での重要課題であるため、
可食部位を無駄なく廃棄部から切り取る技術や、難可食部位を可食化する調理法の研究と修得が求められます。逆に、歩留まり率を高止まりさせる技術があれば、
根本的に仕入れ値を抑えることが出来るだけでなく、原価率を抑えることが可能であり、利益を上げる術となり得ると言えます。魚類を基にした算出式は以下の通りです。
■歩留まり率算出式
可食部(可食部を含む部位)量÷原材料総量×100=歩留まり率
例)
2.0kgの真鯛を下ろし、960gの上身が取れた場合の算出式は・・・
960g÷2,000g×100=48.0%
ですので、歩留まり率は48.0%と求められます。仮に50.0%に歩留まり率を高める場合には、2,000g×50.0%=1,000gですのであと40g上身に付けた状態で下す必要と、
技術の要求が発生することになるといったように、飲食店の現場では数値を基に応用することがしばしばあります。
また、原材料総量を100.0%とし歩留まり率48.0を差し引いた52.0%が廃棄率、この場合の可食部の960gことを正味重量、
または単に正味(しょうみ)と言い、正味960g取れたなどと言います。
尚、ブリなどの紡錘型の魚は55~60%程度と比較的「歩留まりが良い」魚、ヒラメなど底魚は歩留まり率35%程度と身が取れない「歩留まりが悪い」魚といったような、
良い悪いと表現されることがあると共に、基本的には魚種によって歩留まり率は異なります。