QSCとは、Quality(品質)、Service(サービス)、Cleanliness(清潔さ)それぞれのイニシャルです。一般的にQSCのレベルは顧客満足度を左右しますが、とりわけ飲食業はQSCのレベルがお店の支持に直結しやすい業種であることからも、飲食店経営の基本とされることがあります。
では、なぜ人材育成が重要なのでしょうか?その答えは飲食店におけるQSCは〝人〟が作り上げるものだからです。教育されたスタッフが運営するお店と、教育されていないお店とではQSCのレベルに明確な差が現れます。
当然お客様に支持されなければお店の経営が成り立ちませんから、人材を育成することはとても重要であると言えるのです。
飲食店の人材育成ポイントのひとつは〝やる気〟をどのように引き出し、持続させるかです。人は必要とされていなければモチベーションを保つのが難しくなりますし、自身の成長に繋がらないと感じたら、別の職場に移ることも考えるようになります。
働きたいと意欲を持って入社するスタッフに対しては、業務を習得したと判断できるまで、常に細かな注意と思いやりをもってフォローするなど、モチベーションが上がる環境を整えておくことが重要です。
モチベーションの上下に「評価」は大きくかかわる要因です。しかし、営業中の会話や態度といった曖昧な評価は、時に不平等や誤解を生じさせ、また、仕事をどれだけ頑張ってもそれが評価に反映されにくい年功序列のシステムも、雇い入れのサイクルが早い飲食店においてはスタッフの成長を阻害する一因になるためあまりおすすめできません。
飲食店においてスタッフを評価する上で大切なことは、Clear(明確である)、Open(開示されている)、Fare(公平である)の条件を満たす評価の基準とプロモーション(昇格)の仕組みをつくることです。
評価基準は、スタッフ個々に今後何ができるようになればプロモーションするのかといったランクアップへの「目標」を持たせることを容易にし、給与の基準も業務の習得度合いにより決定するため明確ですので不平等感や不満を排除することが可能です。